どーも、タナボーです。
私は高校3年生の頃にETS手術を受けました。
胸部交感神経遮断手術(ETS 手術)は、手掌多汗症の原因が交感神経の機能亢進なので、その神経の働きを止めて、汗を出にくくする手術です。
中学生の頃から手足多汗症を発症し悩まされてきた私は親に相談し、この手術を受ける決心をしました。
手汗で特に悩んでいたこと
・テスト用紙が汗で破ける
・人と手を繋ぐどころか握手さえできない
・人にものを借りれないし使っていたものを貸せない
・手の皮がすぐ剥ける(手のひら全体)
・手汗で電気機器を壊す
・手の平に常に汗をかいていることの不快感
特に学生時代の手足多汗症というのは生活の不便さ以上にクラスメイトなどと接する上でのストレス(手汗に気づかれないように過ごしたり、気づかれた時の相手のリアクション)がものすごく苦痛で本当に毎日、毎分、毎秒悩むものです。
手術
とある地方の大学病院で手術を受けた私は、手術前にお医者さんからこの手術を行う上での副作用について「代償発汗」というものがあるという説明を受けました。
いわゆる手の汗が止まる代わりに、別の体の部位に汗をかきますよと言うことです。
ちなみに私は足の汗の方は止めないという選択をしました。
理由は足の方まで止めると代償発汗がさらに酷くなるということで、とにかく手の汗を1番気にしていた私は副作用は出来るだけ少ない方が良いと思ったので手の汗だけを止める手術を選択しました。
手術は1日で終わりましたがその前後に検査があり、系7日間位入院していたと思います。
現在、調べてみると1日で手術〜退院できるところも多いようです。
手術当日
手術当日は不安と緊張がものすごくありましたが診療台に乗せられ手術室で医者と看護師に囲まれて無影灯といわれる手術中、患者にあてるライトを浴び緊張がマックスに高まる中、全身麻酔用のマスクで鼻と口を覆い被ぶさられた瞬間から意識はなく次意識を取り戻したときは病室のベットでした。
目を覚ました瞬間、お医者さんと看護師さんが「汗止まってるよーサラサラ」って言っているのが聴こえてきました。
目覚めた直後は手汗がどーこーより、手術の痛みなどはなかったのですが、術後の痰で呼吸がしずらく苦しかったので確認どころではありませんでした。
苦しむ自分に、すぐさま吸引機で看護師さんが取り除いてくれるものの、しばらく痰が止まらず気管支を塞ぎ苦しんだのを覚えています。
ちなみに全身麻酔後に痰が出るのは喫煙者の方らしく、実際高校生だった私ですがタバコは吸っていました。すいません(汗)
手術の効果
無事手術を終え退院し日常生活に戻ったわけですが手の汗はどうなったかと言いますと
完全に止まりました
細かく言いますと
・右手は全く汗をかかない
・左手は暑いときは若干湿る程度(汗は1mmも出ない)
・足は結構かく(足の方は止める手術してませんので)
毎日、手汗が出ない不思議さといつか出るんじゃないんだろうか、という不安のさなかそれでも人と手汗を気にせず触れ合えるって素晴らしいーって思って過ごしていました。
副作用について
副作用の代償発汗はお医者さんの説明通り、私の場合、胸と背中に多量の汗が出るようになりました。
夏場など暑い時は動いてなくてもTシャツなどすぐビチャビチャになるレベルです。
これは手術から20年以上経った今でも変わらず、結構辛い時が多いです。
多量に汗をかくことによる汗のにおいも悩みの一つです。
そしてもう一つ、これが1番自分が苦しんでいる副作用です。
とにかく体が怠いってことです。
これは後々、副作用かも?って気づいたことで(今では確信)すが日中特に体のダルさとモーレツな眠気が襲ってきます。
どんなに前夜、熟睡しようが関係ありません。
もしかしたら、元々、自律神経失調症になったことが原因で手足多汗症を発症しましたので元々の自律神経失調症によるものだとも思いましたが手術前には感じたことのない怠さだったので副作用によるものだと思っています。
ちなみに手術したことで脇の上から頭部までも汗を全くかかなくなりました。
それが影響してるのかは分かりませんが、交感神経を遮断したことにより交感神経自体がうまく働かなくなったのかも、など色々考えています。
副作用まとめ
・代償発汗で胸と背中に大量の汗をかく
・太ももにも多く汗をかくようになった
・手術した胸部より上(頭まで)全く汗をかかなくなった
・疲れと眠気が多くなった
ETS手術を受けての正直な感想
結論
手術して良かったです
副作用もたしかに辛いですがその辛さより手汗をかかなくなったことの喜びの方が大きいと思いました。
手汗をかかなくなったことのささいな喜び
- 人と気にせず握手できる
- 電気機器を汗で破損させない
- 紙を破かず字を書ける
- 物の貸し借り自由
- 彼女と手を繋げる
普通の人には当たり前のことが手の汗で悩んでいる人にとってはとても羨ましいのです。
これから手足多汗症で手術を考えになられている方は副作用のこともきちんと理解した上で決断して下さい。
そして手汗で悩まない日があなたにも必ず訪れますように